初演・再演で圧倒的な好評をいただいたこの作品を、7年ぶりに上演することにしました。でも、同じことを何回も繰り返すのはおもしろくない。 そこで、主人公の「ほしみ」役を、昨年春、僕が脚本を書いたテレビ朝日のドラマ『てるてるあした』に出演してくれた、高部あいさんにお願いしました。高部さんは元気で明るくて、『てるてるあした』の撮影現場でも大人気。その姿は、まるで「ほしみ」のようでした。この人なら、「ほしみ」ができる。そう思って、お願いしたのです。 高部さんは今、18歳。今までにない、新鮮な「ほしみ」になってくれると思います。僕らキャラメルボックスのメンバーも、高部さんからたくさん刺激をもらって、新しい『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』を作りたいと思っています。 成井豊
8月、大学生の高梨ほしみは、家族6人でキャンプに出かける。それは、年に一度の家族の行事。
ところが、キャンプ場に向かう途中で事故が起こり、家族全員を失ってしまう。ほしみだけは軽傷で済んだが、直ちに病院へ運ばれる。すると、亡くなったはずの家族もついてくる。その姿は、ほしみにしか見えない。なぜなら、彼らは幽霊だから。
バラバラだった家族が、ほしみを見守ることで一つになる。しかし、いつかは別れなければならない。ほしみが家族と過ごす、最後の夏……。