ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド」−フリート街の悪魔の理髪師−
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ストーリー
公演について
 ミュージカルからシェイクスピア、現代作家の書き下ろしまであらゆるジャンルの舞台作品に出演し、近年では、映画やドラマにも数多く出演し、その存在感を醸し出しつづける名優・市村正親と、舞台・映画・テレビと全てのメディアで輝かしい活躍を続け名実ともに日本のトップ女優である大竹しのぶ・・・互いを俳優として深くリスペクトしあう二人が、念願の舞台初共演を果たした作品である「スウィーニー・トッド」は、現代ミュージカルの巨星スティーヴン・ソンドハイムの代表作。日本では1981年に鈴木忠志演出、市川染五郎(当時)・鳳蘭・市原悦子らの出演によって上演されて以来封印されていた異色の問題作である。
 ソンドハイム自身から、その作品を最も理想的に演出するアーティストとして評価されている宮本は「太平洋序曲」のほかにも「Into the Woods」も演出するほどソンドハイム作品に傾倒しているが、彼にとってこの「スウィーニー・トッド」はいつか演出したみたいと願っていた、一番好きなソンドハイム・ミュージカルなのだという。

あらすじ
 18世紀末、産業革命期のロンドン。好色なターピン判事に妻を横恋慕され、無実の罪を被って流刑にされた理髪師のベンジャミン・バーカー。若い船乗りアンソニーに命を救われ、15年ぶりに街に戻った彼は、かつての自分の理髪店跡を訪れる。1階では以前と変わらず陽気なラヴェット夫人がパイ屋を開いている。不景気でろくな肉を仕入れられないラヴェット夫人のミートパイはロンドン一まずいことで有名だ。彼の素性を見抜いた夫人は、彼の妻が狂気に果てに自殺し、娘のジョアンナはターピンに養育されている事実を告げる。彼が店に残していった商売道具のかみそりを大切に保管していた夫人は、それを彼に返す。彼は”スウィーニー・トッド”と名乗り、判事への復讐を期して、ラヴェット夫人のパイ屋の2階に理髪店を新たに開く。その素晴らしい腕前から店は大繁盛。素性を偽る彼は、自分の過去を知る人間たちのひげをあたるふりをして喉をかききっていく。死体の始末に頭を悩ませたスウィーニーとラヴェット夫人の頭に、突如ひらめく妙案。 もし、その肉を使って夫人がパイを焼けば、仕入れ費はゼロでとろける味のパイができ、しかも殺人の証拠は隠滅できるじゃないか・・・!! 奇想天外な思いつきに、二人は小躍りしてかちどきをあげる。
 パイ屋はたちまちにして大繁盛。二人は、2階で殺した死体がダストシュート方式で地下のパイ焼きキッチンへ直行する仕掛けを考案。スウィーニーに最初にのどをかき切られたかつての同僚の理髪師ピレッリの弟子で、ちょっと頭が足りない青年トバイアスは師匠が突然姿を消してからは何も知らないままにラヴェット夫人の世話になり、お店を手伝っている。ラヴェット夫人は次第にスウィーニーへの恋心を募らせ、復讐はほどほどにして二人で幸せに暮らそうともちかける。トバイアスはラヴェット夫人に心を寄せ、スウィーニーが彼女に危険をもたらすことを本能的に感じている。
 一方、ターピン判事は かつてスウィーニーの妻を陵辱したのと同じ暗い情欲をジョアンナに感じ、自分の好みどおりに育てた彼女に求婚する。世間から隔絶され、幽閉された家の窓辺に立つ彼女に恋をするアンソニー。二人は、ターピンからのがれるため駆け落ちを企て、スウィーニーに協力を頼む。しかしその計画は事前に漏れて、ターピンはジョアンナを精神病院に隔離する。そのころ、町では謎の乞食女が、ラヴェット夫人のパイ屋からくさいにおいがする、とふれまわっていた。
 ターピンを店へおびきよせる策を練るスウィーニー、彼の知らない秘密を握りながら彼を愛するラヴェット夫人、愛を成就したいアンソニーとジョアンナ、ジョアンナを我が物にしたいターピン、スウィーニーの正体を疑うターピンの片腕の小役人ビードル、ラヴェット夫人のパイ屋に漂う不審な空気を感じその原因はスウィーニーではないかと疑い始めるトバイアス、不吉な予言を吐く謎の乞食女…それぞれの欲望が渦を巻き、物語は戦慄の終幕に突き進んでいく。
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